北欧・関西ビジネスアライアンス(NKBA)が正式発足

万博のレガシーを未来へ ― 地域と北欧の持続的な連携を推進
デンマーク、フィンランド、アイスランド、ノルウェー、スウェーデンの北欧5か国による共同出展で注目を集める北欧パビリオンは、大阪・関西万博の閉幕を目前に控えた10月11日(土)、パビリオンとして最後のイベントとなる「Nordic Arctic Day(北極圏のビジネスデー)」のプログラム内で、北欧と関西地域の新たな連携の礎となる「北欧・関西ビジネスアライアンス(NKBA)」の正式発足を発表しました。半年間にわたる北欧パビリオンの取り組みのレガシーを未来へとつなぐ節目となりました。
北欧と関西の連携を未来へ ― 持続的な協働の新たな枠組み
NKBAは、大阪・関西万博を通じてより一層深まった北欧と関西の企業・自治体・研究機関間のネットワークを次世代に引き継ぎ、エネルギー、都市デザイン、観光、教育など幅広い分野で中長期的な協働を推進していくことを目的としています。
北欧閣僚理事会 事務総長のカレン・エレマン氏は次のように述べました。
「北欧企業が日本をはじめとする国際的なパートナーと連携し、持続可能なソリューションやイノベーションを広げていくためには、適切な協力の枠組みが不可欠です。この半年間、パビリオンを拠点に展開された数多くの活動は、まさにその好例といえます。今回のアライアンス発足は、地域間の相互利益と協力の新たな一歩です。」
フィンランドのアンデシュ・アドレクルッツ教育大臣は次のように語りました。
「北欧は“持続可能性・イノベーション・未来への信頼・平等・安定”といった共通の価値観を世界に発信する地域です。本日の発表は、北欧各国の商工会議所や企業が一体となって日本との連携をさらに深める重要な節目であり、400社以上の企業が有するネットワークを活かし、共通の価値を推進していく大きな可能性を示しています。」
スウェーデンのエリック・スロットネル民生大臣は次のようにコメントしました。
「大阪・関西万博は、北欧と日本の強固なつながりを築く国際的な舞台となりました。特に関西地域は、北欧企業にとって今後の協力を拡大する上で極めて重要な拠点です。今回のビジネスアライアンスは、北欧の長期的な関与と地域への強いコミットメントを示すものであり、イノベーションと持続可能な成長、そしてさらなる関係強化を力強く後押しするものになると確信しています。」
また、関西地域の代表として、大阪府 商工労働部長の馬場広由己氏、大阪市経済戦略局理事の和田彩氏からも祝辞が寄せられました。
「北欧諸国は、イノベーションや環境技術、持続可能なソリューションの分野で世界をリードしてきました。一方、大阪・関西は長年にわたり技術革新の拠点として、多様な取り組みを推進してきました。両者が力を合わせることで、新たな経済成長の原動力となることを期待しています。共に、より良い未来を築いていけることを願っています。」
大阪・関西万博閉幕に向けて ― 北欧パビリオンから未来へ
2025年4月の開幕以来、北欧パビリオンは半年間にわたり、日本と北欧の対話と連携を深める多彩なプログラムを展開してきました。
各国のナショナルデーでは、王室や大統領、閣僚級のハイレベルなゲストを迎え、長年にわたる両地域の友情と未来への協力の意志を強く印象づけました。
また、北欧5か国が重点を置くライフサイエンス、エネルギー、ジェンダー平等、文学・文化などのテーマを軸に、単独ではなく5か国共同で多様な国際イベントを実施。北欧および日本の専門家・研究者・企業が参加し、シンポジウムやネットワーキング、実務レベルの対話を通じて連携を一層強化しました。
さらに、民間パートナー企業による独自イベントも数多く開催され、ビジネス、技術、文化、社会など多層的な分野で北欧と日本の協働の可能性を具体的に示す場となりました。
半年間で実施された企業イベントは200件を超え、来場者数は延べ160万人以上に達しました。
こうした活動を通じて、北欧パビリオンは単なる展示空間を超え、北欧と日本を結ぶ持続可能な対話と共創のハブとしての役割を果たしてきました。
ここで、この半年間を締めくくるにあたり、北欧5か国の政府代表から寄せられたメッセージをご紹介します。
北欧5か国政府代表からのメッセージ
スティーネ・グルマン(Stine L. Guldmann)/デンマーク政府代表
「大阪・関西万博では、持続可能性、イノベーション、そして高い生活の質といったデンマークの強みを世界に発信する素晴らしい機会となりました。多くの新たな友情や価値あるネットワークが生まれ、デンマークのソリューションに対する国際的な関心も高まりました。ご来場いただき、交流してくださったすべての皆さまに心より感謝申し上げます。」
ニタ・ピルカマ(Nita Pilkama)/フィンランド政府代表
「大阪・関西万博の運営および大阪地域の皆さまに、心から感謝申し上げます。このプロジェクトを通じて、私たちは多くの新しいつながりを築き、国同士が協力しながらグローバルな課題に前向きに取り組むことができるということを世界に示すことができたと思っています。」
ラグナル・ソルバルダルソン(Ragnar Þorvarðarson)/アイスランド政府代表
「この6か月間、日本で北欧諸国と共にアイスランドを紹介できたことは大変貴重な機会でした。参加を通じて、アイスランドのイノベーション、持続可能性、創造性、そして北欧諸国間の強い絆を発信することができました。イノベーションから観光、食産業まで幅広い分野の6社の企業パートナーと、50社を超える協力企業の皆さまに深く感謝しています。大統領や産業大臣による訪問を通じて日本市場への関心もさらに高まり、この万博への参加が非常に意義深いものとなりました。今後は、この成果を基盤に、日本の皆さまとさらに連携を深めていきたいと考えています。」
フィン・クリスティアン・オーモット(Finn Kristian Aamodt)/ノルウェー政府代表
「大阪・関西が万博の開催地となったことに、心から敬意を表します。この万博は、北欧諸国にとって“信頼”と“協働”という価値を発信する貴重な機会となりました。パビリオンへの多くの来場者数は、北欧のストーリーが日本と強く響き合っていることを示しています。ビジネスセミナーには多数の参加があり、北欧およびノルウェー企業との連携・取引への関心の高さも実感できました。さらに、大阪における北欧商工会議所の設立は、関西地域における私たちの存在感が一段と大きくなったことの証です。万博開催期間中の日本のみなさんの多大な支援に心より感謝いたします。」
セシリア・エクホルム(Cecilia Ekholm)/スウェーデン政府代表
「この6か月間は、協力と信頼を祝福する素晴らしい旅でした。スウェーデンは、北欧パビリオンおよび大阪・関西万博の一員として参加できたことを誇りに思います。私たちは、万博で築かれたレガシーを、日本そして世界でこれからも発展させていけることを楽しみにしています。」
未来へ続く北欧パビリオンのレガシー
半年間にわたる挑戦と協働を経て、北欧パビリオンは日本と北欧をつなぐ架け橋として、多くの出会いと対話、そして新たなプロジェクトの芽を育んできました。
私たちの活動は、万博という特別な時間と空間の中で終わるものではなく、ここから未来へと続いていきます。