フェロー諸島デー:イベントレポート

9月4日・5日の2日間、北欧パビリオンでは特別プログラムとして「フェロー諸島デー」が開催されました。本イベントは、シリス・ステンベア外務・産業・貿易大臣による初の公式訪日を記念し、外交関係、産業、文化、芸術を幅広く紹介する機会となりました。
外交とパートナーシップ
開会にあたり、ステンベア大臣は挨拶の中で、フェロー諸島と日本が2022年に署名した協力覚書に基づき、経済・文化交流を一層強化していく意欲を表明しました。今回の万博を通じ、遠く北大西洋に浮かぶ人口5万5千人の小さな島々が、日本とのつながりを深化させる重要な一歩となりました。
文化と芸術の発信
プログラムでは、フェロー諸島を代表するデザイナー「グズルン&グズルン(Guðrun & Guðrun)」 がサステナブルな羊毛ファッションを紹介。また、作曲家 イェンス・L・トムセン が参加型サウンドアート作品 「RØDD」 を北欧パビリオンで世界初公開し、来場者を音の対話へと誘いました。さらに、画家 シグルン・グンナルスドッティル による映像の上映やプレゼンテーションも行われ、フェロー諸島の風土や人々の営みを映し出す作品が注目を集めました。
産業とイノベーション
フェロー諸島は伝統的な漁業を基盤としながらも、航空、海藻産業、蒸留酒など多様な分野で国際的な存在感を強めています。本イベントでは、電子行政やデジタル・インフラ、スマートグリッド、ムーン・エナジーといった先進的取り組みも紹介されました。これらは、2030年までに陸上で100%再生可能エネルギーを達成するという目標を支える重要な柱です。
自然と未来をつなぐ島々
「世界で最も魅力的な島々」と称されるフェロー諸島は、その小さな規模にもかかわらず、独自の文化と先端技術を融合させ、国際社会に大きなインパクトを与えています。今回の北欧パビリオンでのイベントは、自然と未来、小さな島とグローバル社会をつなぐ架け橋として、来場者に強い印象を残しました。