森へ - Into the Forest : イベントレポート

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9月13日と14日の2日間、北欧パビリオンはフィンランドセンター主催の「森へ:Into the Forest」を開催しました。フィンランドの自然との関わりをテーマに、森林がもたらす癒しとウェルビーイングを五感で体感するイベントです。

森の音と映像に包まれて

プログラムはサウンドスケープのインスタレーション、“La Ääniä – Finland’s official soundscape by Lauri Porra”で幕を開けました。ラウリ・ポッラによる自然の音の重なりが、参加者の心を静かに引き込む空間です。続いて、「Central FinlandのAudiovisual Landscape」では、中央フィンランドの森や湖、木々の間を揺れる光と影を写し取った映像作品が上映され、映像と自然音の融合が視覚と聴覚に新しい感動を与えました。

ドキュメンタリーが紡ぐ森の物語

続いて、ドキュメンタリー映画 “Into the Forest I Go”(2017年/監督 Anu Kuivalainen)を上映。フィンランドの森と人との関わりを多様な視点—土地の所有者、狩猟や木の実採取をする人々、アーティスト、森で心の平安を求める人々—を通して描き、森がフィンランド人のアイデンティティにどのように根付いているかを感じさせる内容でした。

午後には新作ドキュメンタリー “Once Upon a Time in a Forest”(2024年/監督 Virpi Suutari)の上映もあり、若い世代と自然の交わりや、森林破壊・産業と自然保護との間で揺れる今の課題が、映像美と共に深く問いかける時間となりました。

AistiSiimes:五感で味わう森の魔法

この日のもう一つのハイライトは AistiSiimes。ウィンタールームを1室使って、ラップランドの魔法をテーマにしたマルチセンサリー(多感覚)ウェルネス空間を生み出します。香り・音・映像・温度・光といった要素が融合。参加者は忙しい万博の一日を忘れ、森の静けさの中で心をリセットできるひとときを過ごしました。

参加者からは、「映画で見た森のストーリーが自分の中に残った」「AistiSiimesで感じた空気や光が忘れられない」「普段味わえない自然とアートの融合が心地よかった」といった声が聞かれました。また、小さなお子さん連れも多く、最大の来場者数を記録した万博会場の中で、リラックスできる空間を体験してもらうことができるイベントとなりました。