「ノルウェー・ナショナルデー」開催レポート

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エスペン・バット・アイデ外務大臣ご来場のもと両国の絆を深める1日に。ウクライナ・パビリオンにも訪問し、ウクライナとの連携と国際協力の必要性を発信

デンマーク、フィンランド、アイスランド、ノルウェー、スウェーデンの北欧5か国による共同出展で注目を集める北欧パビリオンでは、2025年6月2日(月)、ノルウェーによるナショナルデー「ノルウェー・ナショナルデー」が開催されました。北欧5か国の共同出展における各国ナショナルデーの一環として行われたこの日は、エスペン・バット・アイデ外務大臣がご来場し、日本とノルウェーの外交関係樹立120周年という節目を祝う、特別な1日となりました。

本イベントは、午前の「公式オープニングセレモニー」と午後の「日・ノルウェー ビジネスダイアログ」を軸に開催されました。加えて、エスペン・バット・アイデ外務大臣は万博会場内の日本館、北欧パビリオン、大阪ヘルスケアパビリオン、国連パビリオンをご見学。ウクライナ・パビリオンにも足を運ばれ、ウクライナとの連帯と国際協力の必要性を発信しました。

■公式オープニングセレモニー:音楽と外交の融合

午前にナショナルデーホール「レイガーデン」にて行われた公式オープニングセレモニーには、エスペン・バット・アイデ外務大臣をはじめ、ノルウェーを代表する政府関係者・企業代表が多数出席しました。

開会挨拶では、エスペン・バット・アイデ外務大臣が「日本とノルウェーは、戦略的パートナーシップを通じて強い信頼関係と協力を築いてきました。地理的には遠い国々ではありますが、精神的には非常に近いと考えています。また、大阪・関西万博は、大阪や関西地域との絆をさらに深める絶好の機会であり、地方自治体や関係団体、企業の皆様との連携を深めていけることを期待しております。」と語られました。

日本政府代表として、松本尚外務大臣政務官からも「両国は皇室と王室間の長い友好の歴史を有し、自由、民主主義、法の支配、及び人権の尊重といった、価値や原則を共有する戦略的パートナーであります。両国の関係は今だかつてないほど、強くなっていると思われます。ノルウェー王国の大阪・関西万博への参加に関し、改めて感謝の意を表するとともに、アイデ外務大臣の訪日が実り多いものになることを心よりお祈りして、私からの挨拶とさせていただきます。どうもありがとうございました。」との祝辞が述べられました。

セレモニーのハイライトとして、ノルウェーを代表するシンガー、ヘレーネ・ボクスレ(Helene Bøksle)氏が登場し、特別パフォーマンスを披露しました。透き通るような歌声で、ノルウェーの自然や伝統を感じさせる楽曲を披露し、会場を魅了しました。さらに、北欧やUKの著名アーティストとも多数コラボレーション経験を持つ作曲家 エイリック・ベルゲ(Eirik Berge) 氏との共演による特別パフォーマンスが行われ、文化の深淵に触れるひとときとなりました。

■「日・ノルウェー ビジネスダイアログ」

午後には北欧パビリオン内にて、「日・ノルウェー ビジネスダイアログ」が開催され、政府関係者や企業のリーダーたちが一堂に会しました。本セッションでは、日本とノルウェー両国が共に注力する以下のテーマを中心に、政策・技術・社会の視点からパネルディスカッションが展開されました。
-食料・エネルギーのサステナブルなバリューチェーン

-海洋インフラと安全保障

-多様性とインクルージョン

■大阪・関西万博会場の視察

エスペン・バット・アイデ外務大臣は万博会場内の日本館、北欧パビリオン、大阪ヘルスケアパビリオン、国連パビリオン、大屋根リングなどを視察されました。外務大臣は各パビリオンの展示を丁寧にご覧になり、日本が誇る伝統文化や革新的技術について理解を深められました。北欧パビリオンではノルウェー出身のガイドを含むスタッフが温かく外務大臣を迎えました。

ウクライナとの連帯と国際協力の発信

また、エスペン・バット・アイデ外務大臣は、同日にウクライナ・パビリオンを訪問し、館内を視察されました。ウクライナ・パビリオン ディレクターのインナ・イリナ氏から戦時下でのウクライナのビジネス等について記載されているノートブックがプレゼントされました。

続いてエスペン・バット・アイデ外務大臣は報道関係者向けにQAセッションを行いました。まずウクライナ・パビリオン訪問に至った経緯について以下のように述べました。「本日こちらのパビリオンを訪問することができたことは、ノルウェーにとって非常に重要な意味合いを持ちます。これは私達がサポートをしている、またそのサポートに対してコミットメントを強く表明するという意味合いにおいても非常に重要な位置づけとなります。ノルウェーも日本と同様に戦争に関する部分、あるいは民間の部分で貢献しており、ロシアの法外な侵入行為に対して反対する立場を取っております。」

またウクライナ・パビリオンを訪問しての感想を聞かれると、「ウクライナ・パビリオンを今日拝見しましたが、技術的なソリューション、1つ1つの展示物にストーリーを絡めて説明をされており感銘を受けました。是非皆さんにもこちらを見て、色々学んでいただきたいと思います。わたくしも個人的にウクライナをよく訪問させていただいております。オデーサやキーウなど、非常に美しい街が沢山あり、単にロシアが攻撃しているという暴力的なシーンを見るだけではなく、ウクライナの街には静けさがあり、ロシアに対して勇敢に立ち向かっていること、政府だけでなく一般の民衆の人々からもそういった態度が見受けられるということがあります。皆さんもウクライナ・パビリオンを訪問していただければと思います。」と述べました。ノルウェーは、平和・復興・人道支援の分野においてウクライナとの連携を強化しており、大阪・関西万博という国際的な場でその協力関係を改めて示す貴重な機会となりました。

ノルウェー・ナショナルデーは、北欧パビリオンが掲げる「北欧と共に、より良い明日へ」というテーマを、外交・経済・文化の多角的な視点から体現した1日となりました。気候変動、エネルギー、海洋、インクルージョンといったグローバルな課題に対し、日本とノルウェーがいかに共に歩んでいけるか、その可能性を深く探る機会となり、参加者同士の新たな連携や着想を促す対話が生まれました。