ノルディック・スペースデー:イベントレポート

2025年9月17日、大阪・関西万博の北欧パビリオンにて「ノルディック・スペースデー」が開催されました。本イベントは、北欧と日本の宇宙分野における協力関係をさらに深化させ、持続可能な宇宙利用の未来を探る場として企画されました。
宇宙飛行士を迎えた特別講演
午前のセッションでは、欧州宇宙機関(ESA)宇宙飛行士でSaab CIOのマーカス・ワント氏、そしてJAXA宇宙飛行士の古川聡氏が基調講演を行いました。両氏は国際宇宙ステーションでの経験を踏まえ、国際協力がもたらす科学的・技術的進展や、宇宙を通じた次世代への教育的重要性を強調しました。
政府・宇宙機関による政策対話
続く政策に関するパネルディスカッションのセッションでは、スウェーデン国立宇宙庁のエラ・カールソン長官をはじめ、経済産業省やJAXAの代表者が登壇。宇宙デブリ除去や持続可能な軌道利用といった喫緊の課題から、防衛・安全保障における宇宙利用まで、多角的な視点で議論が交わされました。今年7月に東京拠点を開設したばかりでもあるスウェーデン国立宇宙庁のエラ・カールソン長官は日本と北欧には長年築いてきた関係と、今後さらにビジネスや研究でもパートナーシップを強化していく必要性を強調しました。
最先端技術のショーケース
午後には、北欧のスタートアップ企業が人工衛星、データサービス、暗号セキュリティなどの最新技術を紹介。宇宙を舞台としたイノベーションが、産業や社会に新たな可能性を切り開くことを示しました。
日本と北欧が共有する未来像
本イベントは、日本と北欧が宇宙を通じてSDGsや地球規模課題の解決に向けた共通のビジョンを持つことを浮き彫りにしました。すでに進行中の協力に加え、新たな連携分野を探ることで、両地域のパートナーシップはさらに強固なものとなることが期待されます。
ノルディック・スペースデーは、外交・科学・産業の交差点として、日本と北欧の宇宙協力の未来を力強く印象づける一日となりました。