Joint Nordic Event初開催、「スタートアップ・デー」熱気あふれる一日に

startup day

2025年5月6日(火・祝)、北欧パビリオンにて、デンマーク、フィンランド、アイスランド、ノルウェー、スウェーデンの5カ国が共同開催する初のテーマ別イベント「スタートアップ・デー」が盛大に行われました。

午前中は雨が降るあいにくの天候でしたが、午後には青空が広がり、来場者の熱気とともに会場は大いに盛り上がりました。記念すべき初回のJoint Nordic Eventは大成功を収め、北欧と日本の新たな関係構築の一歩として強く印象づけられる一日となりました。

開幕の挨拶では、Nordic Innovationマネージングディレクターのシンドレ・ボルシュタイン氏が登壇し、会場を温かく迎えました。さらに特別ゲストとして、スウェーデンの気候・企業省(Ministry of Climate and Enterprise)のState SecretaryであるSara Modig氏が登壇し、日本と北欧の協力の可能性について語りました。同省は、気候政策、持続可能な成長、産業・企業振興を所管しており、北欧におけるスタートアップ支援や産業のイノベーション推進にも深く関わっています。

各セッションでは、さまざまな立場の登壇者が、北欧のスタートアップの強さの秘密や、未来への展望を共有しました。

セッション1「ユニコーン工場の原動力:北欧スタートアップ・エコシステムの秘密」
ヘルシンキ、スウェーデン、アイスランド、ヴァンター各都市の代表者が登壇し、北欧が人口規模に比して突出したユニコーン企業を生み出している理由を語りました。小さな市場で成功するためにスケーラブルに考える志向、スタートアップ同士や支援機関の密なネットワーク、失敗を恐れないカルチャーが鍵だとパネルディスカッションが進みました。

セッション2「大学の役割:イノベーションの触媒として」
アールト大学起業サークル、オーフス大学、ヘルシンキ大学の代表者が、大学という場が単なる学びの場ではなく、実験や実践の場であること、そして学生が中心となって新たなイノベーションを次々と生み出している実情を共有する機会となりました。

セッション3「北欧クリーンテック・ピッチセッション」
北欧から11社の注目スタートアップが登壇し、最新の技術やサービスをプレゼンテーション。カーボンクレジット、垂直型アワビ養殖、真菌由来のアップサイクル製品、商業施設向けDXソフト、ガラス3Dプリンティングなど、多様かつ革新的な事業内容が披露され、投資家や来場者から熱い質問が飛び交いました。Marek Kiisa氏(NordicNinja VC)などの専門家がコメントを寄せ、会場は活気に包まれました。

セッション4「日本企業にとっての北欧投資機会」
ベンチャーキャピタルや自治体の代表者が、日本企業が北欧に投資・進出する際の具体的なチャンスや課題について議論。特にクリーンテックやデジタル分野での補完関係の強さ、欧州市場進出の足掛かりとしての北欧の魅力が語られ、将来の具体的な協業や投資案件への期待が高まりました。

大盛況のうちに幕を閉じたスタートアップ・デー。開幕後のコメントで、Nordic Innovationマネージングディレクターのシンドレ・ボルシュタイン氏は次のように語りました。


「本当にインスピレーションにあふれた一日でした。北欧としてのビジネスや投資の機会を日本の皆さんに紹介できたことは大きな成果だと思います。一つ一つの国は小さいかもしれませんが、北欧全体としては非常に大きなポテンシャルがあります。また、今回のイベントを進行してくれたNordic Innovation House Tokyoの存在は、北欧と日本のスタートアップ企業をつなぐ架け橋となり、ハブとしてその可能性を最大化できる絶好の機会になると改めて感じました。今後の日本と北欧の間の双方向の協力や新たな展開にも、大きな期待を持っています。」

今回の「スタートアップ・デー」を皮切りに、北欧パビリオンでは今後も多様なテーマのJoint Nordic Event開催される予定です。北欧が注力する分野に関する具体的な取り組みを学ぶ機会に、今後もぜひご注目ください!