スウェーデン・日本 サステナビリティサミット2025:イベントレポート

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デンマーク、フィンランド、アイスランド、ノルウェー、スウェーデンの北欧5か国による共同出展で注目を集める北欧パビリオンは、大阪・関西万博の閉幕を目前に控えた10月10日(金)に「スウェーデン・日本 サステナビリティサミット2025」を開催しました。


ヴィクトリア・スウェーデン王国皇太子殿下が7年ぶりに来日し、大阪・関西万博へ初来場。10月10日付で国連開発計画(UNDP)のグッドウィル・アンバサダー(UNDP親善大使)の任期を2年間延長することが発表された皇太子殿下は、国連パビリオンでの若い世代との交流、国際シンポジウムへのご出席、そしてビジネス界へのメッセージを通して、「次世代との共創による持続可能な未来」を力強く発信しました

関西で初開催となるスウェーデン・日本 サステナビリティサミット 2025

スウェーデン・日本 サステナビリティサミット 2025」は、2021年から毎年都内で開催されている取り組みで、関西では初めての開催となりました。スウェーデン政府、Business Sweden、IKEAなどの在日スウェーデン企業が連携して企画されたもので、「循環型ライフスタイル」「未来のモビリティ」「ネットゼロ医療」という3つのテーマで構成されました。

それぞれのセッションでは、スウェーデンと日本の専門家や企業リーダーが登壇し、両国が直面する課題と未来へのアプローチについて議論を展開。持続可能な社会の実現に向けて、テクノロジー・ビジネス・ライフスタイルの各視点から多角的な対話が行われました。

登壇者には、スウェーデンのエリック・スロットネル民生大臣) 、IKEA Chief Sustainability Officer のカレン・フルーグ氏、そしてスウェーデン北部サーミ地域出身のアーティストのサーラ・アインナク氏などが名を連ねました。特に、アインナク氏によるサーミ民族の伝統歌唱「ヨイク」に電子音響や現代的アレンジを融合させ、音楽と映像を組み合わせたパフォーマンスは、サミット全体に強い印象を残し、参加者に持続可能な未来のイメージを心に響く形で訴えかける内容となりました。

ヴィクトリア皇太子殿下も終始セッションを熱心にご覧になり、登壇者と直接意見を交わす場面も見られました。経済・社会・文化の枠を超えた本サミットは、スウェーデンと日本のサステナビリティ分野における連携を一段と深める機会となりました。

ヴィクトリア皇太子陛下は、「まず初めに、日本が本年、ひとつではなく二つの大きな栄誉を受けられたことに、心よりお祝い申し上げます。そのうちの1つであるノーベル生理学・医学賞の受賞者は、大阪大学の教授でいらっしゃいます。改めておめでとうございます。この偉業は、日本が長年培ってきた「科学とイノベーションの伝統」の強さを示すものであり、その精神はこの万博の場にも表れているように感じます。」とノーベル賞受賞についてお祝いの言葉を述べました。

また閉幕を間近に控える大阪・関西万博について触れながら、「4月の開幕以来、この万国博覧会は、スウェーデンが日本との自然な絆をさらに深めるための重要なプラットフォームとなってきました。この万博を見事に運営し、持続可能な成長とイノベーションに取り組む多くのパートナーを結びつけてくださった日本の皆さまに感謝申し上げます。5月には、私の父であるカール16世グスタフ国王陛下が、ここ万博会場で開催されたスウェーデンのナショナルデーにご臨席されました。その際には、過去最大規模のスウェーデン経済使節団が日本を訪れました。この半年間、スウェーデンが万博で展開してきたすべての活動の根底には、「持続可能性」と「イノベーション」というテーマが流れており、本日の「スウェーデン・日本 サステナビリティサミット」で締めくくられることは決して偶然ではありません。それは、日本、そして関西地域との長期的な協力関係を象徴するものです。今回の万博で私にとって特に印象的だったのは、「自然への敬意」です。本日訪れた日本館では、その想いが随所に感じられました。また、「テクノロジーの力によって、私たちが直面する数々の課題を乗り越えられる」という強い信念も印象的でした。さらに、国連パビリオンで出会った日本の学生たちが、持続可能な開発目標(SDGs)に関する研究に真摯に取り組む姿にも深く感銘を受けました。彼らの熱意は私に希望を与えてくれる一方で、次の世代が私たちに「今、行動すること」を期待しているという現実も思い起こさせてくれました。皆さま、私たち両国の人々は、自然への敬意と、持続可能な社会を支えるイノベーションへの情熱を共有しています。共に歩むことで、私たちは持続可能な未来を築く「世界のリーダー」となる可能性を秘めています。」とご挨拶されました。

閉幕を間近に控えたこの日に、ヴィクトリア皇太子殿下を迎え、関西で初めて開催するサステナビリティサミットを無事に開催できたことを光栄に思います。